平成29年度 第1回防災講習会報告 ②
2017年6月17日(土) 10:00~ 野多目公民館 2F講堂へ 「博多あん・あんリーダー」の皆さんをお迎えして防災講習会が開催されました。今回の講習は「クロスロード」と呼ばれるものを体験いたしました。
以下は、実際に阪神淡路大震災に同じような事例があったそうです。
読者の皆様も、クロスロードを体験してみてください。
正解はございません。
その場の状況によってどちらかの判断が必要です。
あなたならどのような判断を下されますか?考えさせられます・・・・。
【2】クロスロード設問
① あなたは避難所の食料担当です。
被災から数時間。避難所には100人が避難している。
現時点で確保した食料は50食。以後の見通しは今のところなし。
まず、50食を配る? Yes(配る)? No(配らない)?
Yes(配る)を選択した場合の課題
・公平性の原則を順守できない。
・分配方法をめぐる現場での苦情、トラブルが発生する。
・絶対数が足らない。
No(配らない)を選択した場合の課題
・食料提供者や避難者からの批判、苦情が出る。
・世論(マスコミ)からの批判殺到
・食料の腐敗(食料がもたない)
行政から全員にいきわたる数量が揃うまで配布しないよう指示
・保管場所の確保
・健康状態に悪影響が出る。
② あなたは市役所の職員です。
大震災から24時間。激震によって市庁舎が全壊状態。
しかし、災害対応の必要書類は倒壊の危険のある市庁舎内の事務所にしかない。
立ち入り禁止の命令を無視して書類をに行く?Yes(取りに行く)? No(行かない)?
Yes(取りに行く)を選択した場合の課題
・2次災害に合うリスクがある。
・上司の責任問題になる。
・必ず取ってこれるという確証はない。
No(行かない)を選択した場合の課題
・書類が無ければ災害対応が滞る
③ あなたは消防隊員です。
ようやく1か所の消火を終え、命令に従って次の消火地点へ移動中。
だが住民がやってきて近くの火事を消してほしいと腕を引っ張る。確かに炎は見えるが命令も重要だ。住民の要請に応じるか? Yes(応じる)? No(応じない)?
Yes(応じる)を選択した場合の課題
・本部命令を無視することになる。
(署員は本部の指令に従わなければならないということが法律で
決まっているそうです。)
・広域に渡る消火活動に支障をきたす。(例:風上から消さないと被害が
拡大する。)
・同じような要請を断れなくなる。
No(応じない)を選択した場合の課題
・人道上の問題。
・住民の不満が爆発。
・目の前の火事を消さずにおられない。(心情の問題)
・消防署に対する不満につながる。
④ あなたは被災した病院の職員です。
入院患者を他病院へ移送中。ストレッチャー上の患者さんを報道カメラマンが撮ろうとしています。腹に据えかねている。そのまま撮影させる? Yes(撮影させる)? No(撮影させない)?
Yes(撮影させる)を選択した場合の課題
・患者さんの搬送の邪魔になる
・家族の了解なしに個人のプライバシーを侵すことになる
・マスコミの興味本位での取材になりかねない(衝撃映像に集中)
No(撮影させない)を選択した場合の課題
・記録の重要性(後世に伝える映像は重要)
・被災地の実態がいち早く知らされないと、災害救援の手助けが得られない。
⑤ 障がい者の家族です。
大地震から24時間。半壊の自宅より避難所の方が安全だが、多くの人の中でうまくやっていけるかどうか心配。避難所に行く? Yes(避難所に行く)? No(行かない)?
Yes(避難所に行く)を選択した場合の課題
・避難所の環境に慣れるかどうか不安。
・周囲の人への気兼ねをしてしまう。
・多分本人が嫌がる。
No(行かない)を選択した場合の課題
・余震が不安
・食料配布などの情報が入手できない。
・医療、福祉、専門家およびボランティアの手助けを得られない。
もう一度申し上げますが、これらは実際の現場であった事例だそうです。
一度皆様もじっくりお考えになり、ご家族などで議論してみてください。
防災推進委員会